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養液栽培の鉄管理 DTPA鉄

【養液栽培の鉄管理】なぜEDTA鉄ではなくDTPA鉄なのか?その特長と使い方を徹底解説

 

 

施設園芸や養液栽培において、鉄の安定供給は作物の健全な生育に欠かせません。

特に近年では、pHの高い水質や高濃度の養液を扱うケースも増え、「EDTA鉄では足りない」「鉄欠乏が出る」といった声も聞かれます。

 

そこで注目されているのが、DTPA鉄(Fe-DTPA)です。

本ブログでは、DTPA鉄の特長や使用上のポイント、EDTA鉄との違いについてわかりやすく解説いたします。

 

DTPA鉄とは?

 

DTPA鉄は、「ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)」というキレート剤で鉄を包んだキレート鉄です。

キレート力が強く、養液中でより広いpH範囲(1.5~7.0)で安定するのが最大の特長です。

 

 

なぜDTPA鉄が選ばれているのか?

 

✅ pH6.5〜7.0でも安定 EDTA鉄が不安定になるpH領域でも鉄が沈殿せず、作物に届く

✅ Cu・Znとの置換反応が起きにくい 複合微量要素や他資材との混用リスクが低い

✅ 濃縮原液にも使用可能 溶解性が高く、タンクの底に沈殿しにくい

✅ トマト・きゅうり・イチゴなどに好適 吸収が早く、クロロシス(黄化症状)の予防に効果的、オランダでは一般的に利用

 

タンク設計:DTPA鉄はどこに入れる?

 

DTPA鉄は、以下のようにA/Bタンクに分けた設計で安全に使用できます。

 

【Bタンク】

・硝酸カルシウム、DTPA鉄 pH5.5〜6.5で安定。

・リン酸と接触させないことが基本

 

【Aタンク】

・リン酸、硝酸カリ、レキソリンJPN、旭化学BM2(微量要素)など

・鉄・カルシウムは入れないことで沈殿防止

 

 

DTPA鉄の使用量の目安

 

【トマト養液 】

1.0~2.0 ppm 初期にやや多め、果実肥大期は1.5 ppm前後

 

【イチゴ養液】

0.8~1.2 ppm クロロシス予防には1.0 ppm程度が安定

 

【葉面散布】

0.1~0.2%液 EDTA鉄より吸収が速い傾向があります

 

 

DTPA鉄はこんな方におすすめ

 

・pHがやや高い水(井戸水・地下水)を使っている方

・鉄の沈殿で点滴や配管が詰まりがちな方

・作物に微妙な黄化症状が出てお困りの方

・EDTA鉄で効果を感じにくかった方

 

まとめ

 

DTPA鉄は、pHや他資材の影響を受けにくい高安定型のキレート鉄です。

とくに養液栽培において、鉄の安定供給は生育・収量・品質すべてに直結します。

鉄欠乏や沈殿トラブルでお悩みの方は、ぜひ一度「DTPA鉄」の導入をご検討ください。

 

 

イケックスでは、DTPA鉄をはじめとした各種キレート資材、微量要素、タンク設計のアドバイスも行っております。

導入に関するご相談やお見積もりなど、お気軽にお問い合わせください。

 

 

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